第1回市民会議「公会堂の耐震性の理解について」講演会

「公会堂の耐震性の理解について」
講演者 川端 康洋先生 国立米子高専名誉教授
2010年6月3日 19時〜 米子市文化ホール研修室

内容

■耐震診断とは?
古い建物は現在の構造強度の基準に合わない場合があるので耐震診断でチェックしている。 建物のタイプ、規模によって1〜3次診断、動的解析法で診断する。

■地震は力?震動?
地盤が揺れることで建物に力(慣性力)が作用する。

■地震に堪える能力の算定
固く変形しにくい特性と変形するが粘り強く耐える特性を合わせて算定する。

■耐震指標Is値の意味
たとえばIS=0.6とは、建物の60%(地震加速度600gal)程度の水平力に耐える力。

■Is値>0.6の根拠
過去のデータではIs値0.6以上の建物では中破以上の被害がほぼなかったため、この数値が一つの目安となっている。

■地震発生のメカニズム
過去の近県で発生した大地震は、何十年か経って断層にひずみエネルギーが蓄積されてから起こっている。

■米子市公会堂の耐震診断結果Is値0.15と鳥取県西部地震
耐震診断結果Is値0.15が鳥取県西部地震で軽微な被害にとどまったという実情を表しているか疑問が残る。2次診断(一部3次診断)による診断のみではなく、さらに詳細な調査を加えることがベターである。